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Guitar Music, Jazz, Classic, Folk, Bossanova, ECM, Neue Musik. . . . . . . . . .and Sketches
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JOHN ABERCROMBIE - Direct Flight

JOHN ABERCROMBIE - Direct Flight
DISCOMATE RECORDS / DSP-5015
 
ECMを代表するアメリカ出身のギタリスト、ジョンアバークロンビー。
 
本作は日本のレーベル「DISCOMATE RECORDS」に残した1979年作。ちょうどRichie Beirachとのカルテットを組んでいた時期でECMの1133番と1164番の間に録音されている。アバークロンビー本人は「ECMプレゼンツ・スーパー・ギター・セッション」(メセニーやジスモンチも初来日)というコンサートのため初来日した後、ロサンゼルスに向かいレコーディングしている。
 
ギタートリオ編成による、彼にしてはめずらしく全曲スタンダード曲集。
 
アバークロンビー史上最もアグレッシブな演奏の数々が聴ける魅力的な作品だ。全曲カヴァーにもかかわらず自由度全開で、暴れまくってる。もちろんECM盤同様クールで知的だが、、、めっちゃ熱い。A1、A3、B3はスピード感あふれる怒濤の早弾きに圧倒。たぶん未CD化。

ちなみに同内容のアメリカ盤「Straight Flight」というタイトルも存在する。ジャケット裏に「BY DISCOMATE RECORDS CO. LTD OF JAPAN」と記載されているので、おそらく日本盤の方が先にリリースされたと思われる。
 
John Abercrombie : electric guitar, electric mandlin(on3)
George Mraz : bass
Peter Donald : drums

Produced by Lew Tabackin
Engineer: James Mooney
Mastering Engineer: Thoru Kotetsu
Album Coordinator: Seiji Fueki; Planning: Yasuyuki Ishihara
Photographer: Joe Shimada
Art Coordinator: Toshinori Goshono; Design: Morning
 
A1. In Your Own Sweet Street Way : by Dave Brubeck
A2. My Foolish Heart : by Victor Young
A3. Bessie's Blues : by John Coltrane
B4. There Is No Greater Love : by Isham Jones
B5. Beautiful Love : by Victor Young
B6. Nardis : by Miles Davis
 
Recorded March 19 and 20, 1979 at Sage and Sound Studios, Los Angeles
PR
DAVID GRISMAN / TONY RICE - Tone Poems

アメリカを代表するマンドリン奏者、デヴィッドグリスマンとブルーグラス界のトップギタリスト、トニーライスによる1994年デュオ作。
 
本作は伝説のビンテージ・ギターやマンドリンの銘器たちを曲によって使い分け、スタンダードを演奏しまくるという贅沢な企画。ブックレットには各曲ごとに使い分けた楽器を、見開き2ページに渡り写真入りで詳しく解説されている。ギター好きやコレクターにはたまらない作品だ。
 
その企画の存在を忘れてしまうほど、演奏内容もすばらしい。
 
「大きな古時計」や「オーソレミオ」など、親しみやすいフォークソングやラグタイムの名曲がズラリ。元々グリスマンとライスは共演歴が長いので息もピッタリだ。
心深くに染み込んでくるギターとマンドリンの音色。生音ならではのやさしさとやすらぎ。リラックスした演奏が最高だ。長く付き合えそうな愛聴盤のひとつ。
 
DAVID GRISMAN / TONY RICE - Tone Poems
The Sound Of Great Vintage Guitars & Mandolins
Acoustic Disc – ACD - 10

Tony Rice - Left Speaker, On Guitar (G)
David Grisman - Right Speaker, On Mandolin (M)
 
1.Turn Of The Century
 (G) MARTIN 1-21 (1891) / (M) GIBSON A-4 (1905)
2.The Prisioner`s Waltz
 (G)GIBSON STYLE “O”  (1923) / (M) GIBSON  “3-POINT” F-4 (1909)
3.Sam - Bino
 (G) MAURER STYLE 953 (1915) / (M) LYON & HEALY STYLE A (1925)
4.Grandfather`s Clock
 (G) Stahl Style473(1931)/ (M) Vega Style202 Lute Mandolin(1919)
5.Good Old Mountain Dew
 (GMARTIN OM-18 (1931) / (M) GIBSON A-2Z (1924)
6.I Am A Pilgrim
 (G) MARTIN D-28 (1935) / (M) GIBSON “LLOYD LOAR” F-5 (1923)
7.Mill Valley Waltz
 (G) MARTIN OOO-45 (1937) / (M) GIBSON A-4 (1924)
8.Vintage Gintage Blues
 (G) REGAL “Le Domino”(1930) / (M) SS Stewart “Snow Queen”(1930)
9.I Don`t Want Your Mandolins Mister
 (G) MARTIN D-45 (1939) / (M) GIBSON “LOAR”A-5 (1923)
10.Dawg After Dark
 (G) GIBSON J-100 (1939) / (M) GIBSON “FERN”F-5 (1925)
11.Wildwood Flower
 (G) GIBSON L-CENTURY (1936) / (M) MARTIN STYLE 2-30 (1963)
12.Morning Sun
 (G) GIBSON ADVANCED JUMBO (1937) / (M) GIBSON F-12 (1934)
13.Banks Of The Ohio
 (G) MARTIN O-18 (1937) / (M) EPIPHONE STRAND (1937)
14.Swing 42
 (G) SELMER (1950) / (M) GIBSON F-10 (1934)
15.Watson Blues
 (G) MARTIN D-18 (1943) / (M) GIBSON F-4 (1942)
16.O Solo Mio
 (G) MARTIN D-28(1952) / (M) GIBSON PROTOTYPE A-5 (1953) 
17.Song For Two Pamelas
 (G) Santa Cruz Tony Rice Model(1993) / (M) Gilchrist Model5 (1993)
ELLIOTT CARTER - Cello Concerto

アメリカを代表する現代音楽の作曲家、エリオットカーター。
(1908/12/11 - 2012/11/5)

先月亡くなった。103歳。
 
1930年代から作曲家として活動し、50代で現代音楽の最前衛に立ち、ヨーロッパに紹介されたのは70代、100歳を超えてからも作曲を続け、死ぬまで挑戦し続けた大巨人である。
 
作風は新古典主義から12音技法等、バレエ〜オーケストラ〜ギター独奏から声楽まで幅広い。「リズミックモジュレーション」や「ピッチクラスセット理論」といった概念を打ち出している。
 
「Cello Concerto」は2001年の発表だから、おそらく92歳の時の作品になる。
RAY RUSSELL - Circle

イギリス出身のレイラッセル。1947年生まれ。時はヨーロッパジャズ黄金時代、UKジャズ〜ジャズロック全盛期に現れたギタリスト。ジョンマクラフリン、デレクベイリー、テリースミス、クリススペディングたちとほぼ同世代。そうそうたる面子、やはりイギリス・ギター界のレベルの高さがうかがえる。
 
本作は1968年CBSに残した彼の初リーダー作。ギター、ピアノ、ベース、ドラムのカルテット編成。ウェインショーターの「Footprints」やチャールズロイドの「Sombrero Sam」収録、他はレイラッセルによるオリジナル曲。基本的にモーダルジャズ、いわゆる新主流派だ。マッコイタイナーやハービーハンコック風の美しいピアノに、まるでウェインショーターのようにギターがのっかる。素直にカッコいい。クールなモーダル的フレーズと作曲センスが素晴しい。
 
当時モード奏法は他の楽器では開拓されていたが、ギターではまだ開拓されていなかった。そういう意味でも彼はパイオニアの一人。しかしマクラフリンに比べると知名度はグンと低い。彼はこの後、更に前衛的な方向へ進み、我が道を行く。

Ray Russell Qartet - Circle / LP 029469
 
1.FOOTPRINTS 

2.BONITA 

3.PERUVIAN TRIANGLE 

4.SOMBRERO SAM 

5.THE FRY AND I 〜 A DAY IN THE WORKING LIFE OF A SLAVE OF LOWER EGYPT

6.PART I ‘DORMANCY’

7.PART II ‘TREMENDUM’

8.PART III ‘PATH’
 
Ray Russell(g)

Roy Fry(p)

Ron Mathewson(b)

Alan Rushton(ds)
LARRY KOONSE - Secret Tea

1962年生まれのラリークーンス。父親もジャズギタリスト。6歳からギターを始め、15歳で親子共演を果たし、1977年にDobreから2枚の作品を残している。その後数多くの大物ミュージシャンと共演を果たし、最近では女性ヴォーカル作品にも多く顔を出している売れっ子ギタリスト。

中でもウォーンマーシュ('87年録音)とのデュオは巧みなコードワークを聴かせる。ジムホールとボブブルックマイヤーのデュオを彷彿とさせる。また、2001年作「Americana」は現代的アプローチのコンテンポラリージャズギター名作。

本作は、その彼の2001年ギタートリオ作。ビルエヴァンスの「Very Early」他収録のスタンダード中心の正統派ジャズ作品。リリカルなフレーズとウォームなトーン、多彩なコードワーク、ホーンライクで堅実な演奏。チャーリーパーカーの「Barbados」も現代的解釈で美しく料理するセンス。

つかみどころのないギターは、どこかレニートリスターノのクール派を思い出してしまう。

1 Nobody Else But Me   
2 Sophisticated Lady    
3 Secret Tea   
4 Stablemates   
5 Very Early   
6 Barbados   
7 My Brother's Name
8 Bye-Ya   
9 Living Room

LARRY KOONSE (g)
ANDERS SWANSON (b)
CHRIS WABICH (ds)


ラリークーンスその他の作品

Dave & Larry Koonse - Father and Son Jazz Guitars / Dobre records - DR1035 (1977)


Dave & Larry Koonse - Son of Jazz Guitar / Dobre Records DR1048 (1977)

Warne Marsh/Larry Koonse Duo - Final Interplay (1987)

Larry Koonse - Americana / Jazz Compass JC1001 (2001)
MICHAEL MUSILLAMI - Those Times

自身のレーベル「Playscape Recordings」を設立。ギタリスト兼コンポーザー、プロデューサーのマイケルムシラミ。デューイレッドマンやリチャードグルーヴホルムズ、カーティスフラーのグループで活躍。ジョーディオリオ(G)を研究。

自身のレーベルからは数多くのリーダー作を残している。ECMでお馴染みマークフェルドマンとの共演盤などは、フリーキーでかなりエグいフレーズ連発の斬新な演奏をしている。

本作は正統派スタンダード曲中心の2003年録音作品。ビルエヴァンスやホレスシルバー、サムリヴァースの曲など収録。バックはテッドローゼンタールのピアノトリオ。オーソドックスな正統派ジャズギターアルバムだ。

ウォームなトーンはジムホールを彷彿させるが、もっとスリリングで切れ味鋭いピッキング、バーニーケッセルやウェスにも通じる豪快さも兼ね備えている。そしてもっと現代的である。

一聴してかなりの実力者だということがわかる。溢れ出すハードバッピーなフレーズとツボを押さえた好演奏。

正統派ジャズギターをたっぷり聴きたい時にはコレだ。

Michael Musillami - Those Times
PLAYSCAPE - PSR#J012603

1. Comrade Conrad
2. Peace
3. Angel Eyes
4. Those Times
5. Out Of Nowhere
6. Beatrice
7. It Could Happen To You

Michael  Musillami (g)
Ted Rosenthal (p)
Dave Shapiro (b)
George Schuller (ds)
BEN MONDER TRIO - Dust


1962年生まれ。Bill McHenryとの共演やPaul Motianのエレクトリックビバップバンドに参加。
そのエレクトリックビバップバンドではスティーブカーディナス(G)と共演。カーディナスはコンポーザータイプでよりメロディーを生かす演奏だったのに対し、ベンモンダーはより空間を埋めるのが得意なギタリスト、非常にバランスの取れた面白い作品だった。

本作は彼の1997年のベンストリートとジムブラックによるギタートリオ作品。

聴いた瞬間、エフェクトの効いた浮遊感がビルフリゼールを思い浮かべる。よりスマートで、柔軟性があり、いわゆるコンテンポラリー・ジャズ。あまりソロを取らないタイプで、ヤコブブロにも近い。が、ときたま歪んだギターでヘヴィーにソロを弾きまくる。

臨場感あふれる空間、えぐいコードワーク、そしてヒネクレた美しいアルペジオが気持ちいいギタートリオ作品だ。

Ben Monder Trio ‎– Dust
Sunnyside – SSC 1156

1  Sleep
2  Silent Neighbors 
3  Thethird Eyebrow
4  Dust
5  In Memoriam 
6  I'll Remember April  
7  Gemini 
8  Late Green 

Ben Street (b)
Jim Black (ds)
Ben Monder (g)

STEVE CARDENAS - Shebang


今やニューヨークジャズシーンの中心的ギタリスト。ポールモチアンのE.B.B.B.で活躍したスティーブカーディナス。そのE.B.B.B.ではカートローゼンウィンケルやベンモンダーとも共演している。他、マデリンペルー、ノラジョーンズらの作品にも参加。セロニアスモンクの研究家としても有名。

本作はブラッドメルドー・トリオのベーシスト Larry Grenadier とビルフリゼールのバンドに参加していたドラマー Kenny Wollesenとのトリオ編成。1999年録音作品。

メセニー的フレーズやジョンスコ風の曲調、作風が顔をのぞかせる。気の利いたバックの演奏は、もちろん素晴らしいが、それ以上に彼のコンポーザーとしての腕が上回っている。

エレキとアコギの使い分けやクールで多彩なフレーズ、そして何より美しいメロディーがグッとくるギタートリオ名盤。

Steve Cardenas - Shebang - FNST 079

1. Across The Way
2. Lucky Number
3. Del Cenote
4. Shebang
5. Safer Than Heaven
6. Tai Chi Chai Tea
7. Mr. Mule
8. Sacre Coeur
9. Make It So
10.Para Ti

Steve Cardenas (g)
Larry Grenadier (b)
Kenny Wollesen (d)

Recorded in New York City, 1999

MICK GOODRICK - Sunscreams

ミックグッドリック(1945生まれ)バークリー音大の教師。パットメセニーの師匠でもあり、ビルフリ、ジョンスコなどに影響を与えている。

本作はイタリアRAM Recordsに残した1994年作品。管+ギタートリオというカルテット編成。

まず、彼の最大の魅力はバッキングのコードワーク、和音センスにある。

この作品以外にも、ゲイリーバートン・リーダーのECM諸作の彼のコードワークは最高で、特に「NEW QUARTET」や「RING」、スティーブスワローの「DECONSTRUCTED」(Watt)も必聴だ。
ジムホールやエドビッカート、テッドグリーン辺りに匹敵する抜群の和音センスを持っている。

もちろんアドリブソロも素晴しく、演奏に対してこういう表現は間違ってるかもしれないが、理にかなった演奏をする。つねにコード進行(和音)を意識した音選びをしている印象。
全くタイプの違うギタリストだが、なぜかルネトーマを思い出してしまう。彼もまたアドリブソロでの和音を意識した「音選びのセンス」を感じる名ギタリストだからだ。

MICK GOODRICK - Sunscreams
RAM - RMCD 4507
 
1.In Your Own Sweet Way
2.Deep Sea Vent
3.Sunscreams
4.Jab
5.I Hear A Rhapsody
6.Give It Up
7.Spring Is Here
8.I Hear A Rhapsody (Alternate Take)
9.Peek-A-Boo
10.In Memory
 
Bruce Gertz (b)
Gary Chaffee (ds)
Mick Goodrick (g)
Jerry Bergonzi (ts)
 
Engineer – Jim Anderson
Producer, Mixed By Raimondo Meli Lupi
Recorded June 17, 1993 and mixed June 18, 1993 at Sound Techniques, Boston 
Mastered at Phonocomp s.r.l., Milano, Italy


グッドリックが書いた名著「Advancing Guitarist」がある。代理コードや4度ヴォイシング・・・哲学的な事までが盛り込まれている。最近日本語版も出版された。
FIRST AVENUE (ECM 1194)

Denney Goodhew、Eric Jensen、James Knappのトリオからなる「FIRST AVENUE」。管が2本とチェロという編成が基本の管弦楽になっている。彼らはジョンケージやシュトックハウゼン、ウェーベルンやベルク、そしてチャーリーパーカー等に影響を受けている。

ジャケット裏に書かれてるJames Knappのコメント
「各曲ともにタイトルを持たない。モード、構造、リズム、調性、和声など予め何も決めず、純粋な即興演奏を繰り広げている。我々の音楽はコンサート用の音楽ではなく、舞台のための音楽である。ミュージック・ダンス・アンサンブル・オブ・アメリカン・コンテンポラリー・ダンス・カンパニーの音楽を担当。観客はその音を見、そして空間を聴くのである。」

・・・とはいっても、全くのドフリーでもなく、無調の音楽という訳でもない。互いの音程や響きを意識しながらの即興であり、きれいにハモってる三重奏のようなものもある。また、いかにも典型的な舞台のための音楽といった種の実験的な曲もある。

左右から、奥行きへと、臨場感豊かな、ECMらしいリバーブのよく効いた音響空間も楽しめる録音だ。エンジニアはECMに数多くの名録音を残しているMartin Wieland。

未CD化アルバム。

A1  Band One  
A2  Band Two  
A3  Band Three  
A4  Band Four
A5  Band Five   
B1  Band Six   
B2  Band Seven   
B3  Band Eight 

Recorded At – Tonstudio Bauer

Alto Saxophone, Flute, Bass Clarinet – Denney Goodhew
Cello – Eric Jensen
Trumpet, Flugelhorn, Waterphone – James Knapp

Engineer – Martin Wieland
Producer – Manfred Eicher

Recorded November 1980 at Tonstudio Bauer, Ludwigsburg, Germany
Electronica 1997 - 2003

'90年代後半で終わったと言われている「エレクトロニカ」について振り返ってみよう。

1997年~2003年まで。


oval - szenario EP
まずはオヴァルことマーカス・ポップ。彼は「音楽をあくまでデザインとして捉え、メロディなどの音楽要素はそれに付随するもので、音の誕生から完成までの作曲過程をさらけ出すことが重要な目的である」と発言している。硬質なドローンによる電子音響系。CDの音飛び(スキップ)を意図的に起こし、それを自らが開発したソフトウェア「オヴァル・プロセス」で再構成するというハプニング的作曲法。クリックやグリッチ、カットアップなどの手法は彼から広まったのでは。。彼こそエレクトロニカの先駆者ではないか。。本作は「systemisch」と「94 Diskont」から各4曲+未発表音源4曲を収録。日本初紹介盤1997年作品。ロマンチシズムまで感じさせる幾何学的サウンド。oval 入門編には最適。




池田亮司  +/-
日本を代表する電子音楽家。ミニマルテクノを時代遅れにしたテクノイズの衝撃的傑作。サイン波やピクセルといった最小単位にまで突き詰められた「データ」として捉え直し、それらを再構成することで、全く別の世界体験を作り出すという。論理的、数式的な美しささえ感じさせる1997年作品。



Tortoise - TNT
エレクトロニカと言うよりはポストロックの金字塔と言われてる1998年作品。シカゴ音響派の中心的バンド、トータス。ジョンマッケンタイアが録音、編集、ミックス全てを担当している。メンバーにはジェフパーカー(G)もいる。ロック+ミニマル的要素、生音と電子音のバランス、ハードディスクレコーディングによる偶然性とプログラミング作曲とのバランス。そして今振り返って、このアルバムに強く感じるイメージは、やっぱりパーカッションとギターだ。結局は、この二つの生楽器が非常に強い、このバンドは。



Mouse On Mars - Niun Niggung
1999年作品。ドイツ出身のヤンヴェルナーとアンディートマによるユニット。立体音響、聴覚への快楽、ユーモアセンス、実験性とポップでキャッチーなサウンド、そして何より職人的アレンジがすばらしい名作。ovalとともにドイツを代表するユニット。



Jim O'Rourke - Eureka
いわゆるシカゴ音響派の中心人物で、元々はアヴァンギャルド系ノイズギタリスト。1999年作品。ジムオルークのポップサイドの集大成的名作。ジョンフェイヒーのギターやヴァンダイクパークスの作編曲の影響を強く感じる作品。バカラックなどのソフトロック的要素の強いサウンド。そして凝りに凝ったアレンジ力は凄まじい。音響、エレクトロニカ的にはmego からの「I'M HAPPY, AND I'M SINGING, AND A 1, 2, 3, 4」も傑作だ。



竹村延和 - フィナーレ
イッセイミヤケとのコラボ、「ミラノコレクション SPRING&SUMMER 2000」のための書き下ろし1999年作品。ジャケットデザインは村上隆。水の音やカメラのシャッター音、金属音や機械の動作音、木琴やピアノ、ストリングスなどの生楽器、そして少女の声。。。この時期、この辺りの音のコラージュを最も積極的にポピュラー音楽に融合させていた作曲家の一人ではないか。未来的で神秘的。涼しげで上品な室内楽的作品に仕上がっている。



Fennesz - Endless Summer
2001年作品。オーストリア出身のギタリスト、兼ラップトップアーティスト。キースロウや坂本龍一とのコラボでも有名。アコースティックギターをコンピューターで加工して再構築し、それに電子ノイズ等を絶妙のバランスでブレンドさせる作曲法。ノイズに叙情感や温もりすら持たせてしまうセンスがすばらしい。




gel: -1
モートン・フェルドマンに影響を受けている、フランス出身のJulien Locquetのソロプロジェクト。本作は彼のファーストアルバムの2001年作品。スキップやグリッチノイズの電子音にピアノやウクレレ、子供の声などオーガニックな音の響きを大切にしている印象。安っぽさをギリ感じないところが良い。特に2000年代前半は安っぽいおもちゃ的サンプリングを使ったエレクトロニカ系ユニットが増殖し、一時つまらなくて聴かなくなった原因にもなった。



fonica - ripple
MINAMOの杉本佳一とGEL:のアートワークなどを手掛けたデザイナーCHEASONの2人組ユニット。2002年作品。自然体なアコースティックギターの加工音とデジタル処理したノイズ音の先鋭的で美しい融和。エレクトロニカ室内楽的名作。その当時、誰もが彼らのマネをしたくなったのでは。。。



juana molina - segundo
2003年作品。いわゆるオシャレな生音系フォークトロニカ。およびアルゼンチン音響派。今聴くとただのSSW作品。アコギと、グリッチノイズと、ささやき系女性ヴォイスと。ジャケがいい。この時期からこの系統の音がやたら殖えた。
 

Sheebeg And Sheemore (Irish Folk Song)
アイルランド民謡でターロック・キャロラインの作曲。

Sheebeg And Sheemore「小さな妖精の丘と大きな妖精の丘」という意味。

世界中で愛され、沢山のカヴァーが存在する名曲。

三人のソロギターによるカヴァーヴァージョン。


こちらはアメリカを代表するカントリーブルースのフィンガーピッカーの名手ステファングロスマン。彼らしく少し土臭さを感じるが、メロディーを大切にした誠実な演奏で好感が持てる。



こちらはジャズの影響も受けているギタリストで、カントリー界では珍しくガットギターを弾くダックベイカー。シンプルだが気の利いたアレンジが素朴でいい感じ。彼はジョンゾーンのプロデュース作品も出している。



アルジェリア出身の超絶ギタリスト、ピエールベンスーザン。ヨーロッパ人らしく3連符や複雑なハーモニーがサラリと導入されたアレンジに圧倒される。DADGADチューニングでも有名。






GALLERY - Gallery (ECM1206)


GALLERY - Gallery (ECM1206)

五人編成によるグループ「ギャラリー」がECMに残した1981年作品、未CD化アルバム。

ヴァイヴ、チェロ、管、ベース、ドラムというECMらしい面白い編成。

メンバーは「DOUBLE IMAGE」のDavid Samuelsを中心に、「オレゴン」のPaul McCandless、ECMでも数多くのリーダー作を残しているチェロ奏者David Darling、後期ジョーヘンカルテットでも活躍したRatzo B. Harris、そしてガルバレクバンドで活躍していたMichael DiPasqua。

基本的にテーマ部分ではチェロが美しい主旋律をとり、そこに管がユニゾンで入ったり、ハモったりする。そしてバックをベースとドラムが盛り上げ、ヴァイヴが和音をつけてゆく。サウンド的にはスティーブキューンの管入りカルテットやエバーハルトウェーバー、ゲイリーバートンのカルテットにもちょっと近い感じで、非常にクールで軽快なノリが気持ちいい。決してファンク的な重さは無い。


作曲はD. Samuelsが3曲担当、M. DiPasquaとP. McCandlessが1曲ずつ担当。アートランディと共演したドラム奏者Glenn Cronkhiteの作曲が1曲(彼は過去にビルコナーズにも曲を提供している)。そしてA-4はギャラリーとマンフッドアイヒャーの共作で、この曲は特に異色で現音風でもあり、ドローンのような独特の雰囲気と幻想的な世界観がある。

本作はECMではめずらしくアメリカ録音である。以前にも書いたが、アメリカ録音のものはUS盤の方が音が良かったりする事もあるが、この盤はどうなんだろう・・・・?

エンジニアはECMに数多くの名録音を残しているMartin Wieland。未CD化。


A1. Soaring

A2. Prelude

A3. A Lost Game

A4. Painting

B1. Pale Sun

B2. Egret

B3. Night Rain

Bass – Ratzo B. Harris
Cello – David Darling
Drums, Percussion – Michael DiPasqua
Soprano Saxophone, Oboe, English Horn – Paul McCandless
Vibraphone, Percussion – David Samuels

Engineer – David Baker
Engineer – Martin Wieland
Producer – Manfred Eicher

Recorded May 1981 at Sound Ideas Studio, New York City

SAM RIVERS - Contrasts (ECM 1162)

サムリヴァースが唯一ECMに残した1979年録音盤。

管2本とベース、ドラムというカルテット。編成通りいかにも男らしい硬派な演奏。

1曲目はマーチング的な前奏からサムリヴァースのソプラノとトロンボーンが絡み、バックでホランドのアルコ弾きが印象的。2曲目はホランドお得意のノリノリのスピーディーなウォーキングベースの上をリヴァースのテナーが全開で突っ走る。セシルテイラーとも共演歴のあるドラマー、サーマンバーカーも素晴らしい出来。彼は次の3曲目ではマリンバも披露している。そして4曲目は軽快なジャズファンク風ノリが気持ちいい。ここでもやはりホランドのベースが効いている。

B面1曲目トロンボーンとベースがユニゾン、その上をテナーとドラムが暴れるといった内容。B-2曲目は小休憩といったような幻想的で静かな演奏。最後B-3もやはりベースとドラムの激しいリズム隊が最高にカッコイイ出来。ベースソロもしびれるわ。

結局アルバム通してホランドが最高ということかな、やっぱり。

エンジニアはECMに数多くの名録音を残しているMartin Wieland。

A1  Circles 
A2  Zip 
A3  Solace
A4  Verve
B1  Dazzle
B2  Images
B3  Lines

Bass – Dave Holland
Drums, Marimba – Thurman Barker
Soprano Saxophone, Tenor Saxophone, Flute, Composed By – Sam Rivers
Trombone – George Lewis

Engineer – Martin Wieland
Producer – Manfred Eicher

Recorded December 1979 at Tonstudio Bauer, Ludwigsburg.
PETER RUHMKORF - Jazz & Lyrik

Peter Ruhmkorf - Jazz & Lyrik - ECM5801

ドイツを代表する詩人ピータールームコルフ(1929年生まれ)による、ジャズアーティストたちとの共演盤の3CDボックス。ミハエルナウラやウォルフガングシュリューターらと共演したECM SPシリーズ収録曲が多数含まれている。長らく未CD化だった2枚のアルバム(全曲ではないが)「Kein Apolloprogram fur Lyrik」と「Phoenix Voran」がようやく日の目を見た。おそらく今回が初CD化。

SPシリーズからの収録曲はクールで冷たく美しいナウラやシュリューターの演奏が聴き所。それ以外は'89〜'06年までの最近のライブ録音が中心で、ルームコルフの朗読に対し観客の笑い声が聴こえるほどのリラックスした内容で、バックも洗練された好演奏。

ポエムの意味が分からなくてもインスト演奏として十分楽しめる内容だ。

Peter Rühmkorf(speak) Michael Naura(p) Wolfgang Schlüter(vibraphon) Eberhard Weber(violoncello, b) Leszek Zadlo(sax) Christian Willisohn(p) Titus Vollmer(g) Christian Kappe(flgh,tp) Ansgar Elsner(sax) Burkhard Jasper(p) Alexander Morsey(b) Klaus Gunnemann(ds) Dietmar Bonnen(p) Andreas Schilling(b)

CD 1
1 Auber Der Liebe Nichts   
2 Auf Einen Alten Klang (▲Live Version)   
3 Das Himmelschluck-Lied   
4 Variation Auf "Abendlied" Von Mathias Claudius (■Live Version)
5 Owe War Sint Verswunden   
6 Komm Raus! (●Live Version)   
7 Elegie ●   
8 Meine Stelle Am Himmel ●  
9 Undine ●
10 Jetzt Mitten Im Klaren   
11 Elbterrassen   
12 Abtrunk   
13 Cicerone ●   
14 Zirkus ●

CD 2
1 Hochseil ●  
2 Tagebuch ●   
3 Einen Zweiten Weg Ums Gehirn Rum (●Live Version)
4 Tagelied ▲   
5 O - 1.-Klasse-Einsamkeit   
6 Phonix Voran! ▲
7 Phonix Voran! 
8 Phonix Voran!    
9 Ich Butter Meinen Toast Von Beiden Seiten ▲ 
10 Bleib Erschutterbar Und Widersteh   
11 Selbstportrat ▲  
12 Das War Und Ich Weib Nicht  ▲  
13 Paradise Regained ▲   
14 Allein Ist Nicht Genug ▲

CD 3
1 Impromptu ▲   
2 Der Getreue Don Juan   
3 Deutsche Zauberstrophen   
4 Auch Gut, Wenn Man Am Schlub In Wasser Winkt...
5 Schnellimbiß
6 Der fliederbush, der Kruppel
7 Mit den Jahren...Selbst III/88
8 Fruher, als wir die großen Strome noch...
9 Uberraschends Wiedersehen
10 Reimfibel
11 Fredmans Epistel Nr. 27, seine letzten Gedanken beinhaltend
12 Betr. rundfrage Grundfrage
13 Megalomainischer Tag
14 Ruckblickend mein eigenes leben

(●▲■マークがそれぞれECM SPシリーズからの収録曲)

↓こちらが長らく未CD化だったECM SPシリーズの3作品↓

● Peter Ruhmkorf - Kein Apolloprogram fur Lyrik - ECM 2305 801 SP - 1976年
※12曲中7曲収録 (CD1-6, 2-3はLive Version) 
Peter Rühmkorf(speak) Michael Naura(p) Wolfgang Schlüter(vib) Eberhard Weber(cello, b) 

▲ Peter Ruhmkorf - Phoenix Voran - ECM 2305 802 SP - 1978年
※9曲中8曲収録 (CD1-2はLive Version) 
Peter Rühmkorf(speak) Michael Naura(p) Wolfgang Schlüter(vib) Leszek Zadlo(sax, flute)

■ Michael Naura - Country Children - ECM 2305 803 SP - 1980年  未CD化
※収録曲なし(CD1-4はLive Version) 
Michael Naura(p) Wolfgang Schlüter(vib, marimba) 
JAN ERIK VOLD : Vokal - Complete Recordings 1966-1977

ヤンエリックヴォル(1939年生まれ)


ノルウェー出身の詩人。1965年に詩集「鏡と鏡の間」でデビュー。1970年代に世界旅行をするなかで日本を訪れ、俳句形式の詩を含む日本に関する詩を多数書いている。

本作はその彼とECMを代表するアーティストたちとの共演を含む3CD+1DVDボックス。

ヤンガルバレク、ボボステンソン、テリエリピダル、アリルドアンデルセン、パレダニエルソン、そしてヨンクリステンセンたちの1969年から70年代初めの演奏が聴ける貴重音源集。

基本的に詩人のヤンエリックヴォルが朗読をする。で、そのバックで彼らが演奏するといった内容。だが、この演奏がとにかく素晴らしい。ECMファンじゃなくてもオススメできる。


CD1には「Briskeby blues(1969) 」と「HAV(1970) 」と「 Trikkeskinner(1973)EP音源」が収録されている。

「Briskeby blues」
Jan Garbarek(ts,fl), Terje Rypdal(g), Arild Andersen(b), Jon Christensen(dr), Jan Erik Vold(vo)
1曲目サックスの音色を聴いた瞬間、「あガルバレクだ」とすぐわかる。'69年とは思えないほど洗練された演奏。特にテリエのエフェクト効果がおもしろい。

「HAV」
Jan Garbarek(ts), Bobo Stenson(p), Terje Rypdal(g), Arild Andersen(b), Jon Christensen(dr), Jan Erik Vold(vo)
21分と16分の大曲2曲だが、決して飽きない。静かでフリーキーなインプロから始まり、エレクトリックマイルスを彷彿とさせるエレピやリズムがジワジワと盛り上げる。そして2曲目が今回のボックス目玉とも言うべき大作「Dikt」が最高の出来。ものすごい嵐のようなドラムとベースのうねり。その上を竜巻のようにエレピとギターが駆け巡る。そしてガルバレクが入って最高潮に盛り上がる。この曲だけ朗読はなし。これ一曲だけでも十分一聴の価値あり。

「 Trikkeskinner」
Jan Garbarek(ts, wooden flute), Brynjulf Blix(p), Arild Andersen(b), Jon Christensen(dr), Jan Erik Vold(vo)
こちらは激レア7inchからの音源。なかなかノリの良い演奏とエスニックな曲調の2曲。


CD2「Ingentings bjeller」
Jan Garbarek(ts), Bobo Stenson(p), Palle Danielsson(b), Jon Christensen(dr), Jan Erik Vold(vo)

CD3「Jan Erik Vold reading his poetry」
DVD「TV-programs, radio broadcasts and slideshow」



Presenting OSCAR MOORE with LEROY VINEGAR

ナットキングコールトリオで有名なギタリスト、オスカームーアの1957年にOMEGAレーベルに録音された未発表作品。

当時の録音が最悪だった為、お蔵入りになっていたが、現代のデジタル技術で修復された奇跡的な掘り起こし音源だ。

リロイヴィネガー(B)とのデュオだが、オスカームーアのギターがオーバーダビングされており、生ギター音とアンプに通した音の2種類のギターが楽しめる。しかもコードワークとソロ。ギターファンには嬉しい作品だ。

小粋でスウィンギン、甘く切ない歌心溢れる古き良き時代のギター幻盤が現代によみがえる。。。ジャケもいいね。


I Can't Get Started with You
There's A Small Hotel
Angel Eyes
To A Wild Rose
It's A Pity to Say Goodnight
Tangerine
Sweet Loraine
If You Were Mine
Taborra

Oscar Moore (g)
Leroy Vinegar (b)

Producer : Dave Hubert
Cover Photo : J Tracy
Recorded in Hollywood,1957
PAOLO RADONI - A Day or Two

イタリア生まれのベルギーで活躍したギタリスト、パオロラドーニの1992〜93年録音盤。

エレガンスで叙情派、洗練されたセンスの良いフレージング、モーダルジャズ〜ハードバップ〜ボッサ〜ソロギターまで幅広い正統派ギタースタイル。

時折、ジミーレイニー風なフレーズもあり、エヴァンスの影響も感じる。

編成も曲によって変えていて、1, 4, 6, 8 がカルテット編成、2, 5, 7 がトリオで、3 がソロギターになっている。

繊細かつメロディアス、陰りのある美しい楽曲が並ぶ好内容、ヨーロッパジャズギター名盤だ。

惜しくもパオロラドーニは2007年に亡くなっている。

Paolo Radoni (g) 
Jean-Louis Rassinfosse (b) 
Bruno Castellucci (ds)
Ron Van Rossum (p)

1. A day or two 
2. You'd be so nice to come home to 
3. Valseana 
4. The final riff 
5. Polka dots and moonbeams 
6. In the mode 
7. One hand, one heart 
8. Chove sol 

#1-3、#5-8 1992年6月 MONSTER,HOLLAND 録音
#4 1993年6月 BUUSSELS,BELGIUM 録音
CHET ATKINS - Solo Sessions
我らがギターの神様、チェットアトキンス(1924年6月20日-2001年6月30日)。

ギターをポピュラー楽器として世界に広めた第一人者。

ギャロッピングギターを独学で勉強し、ジャズやクラシック、フラメンコギター等を研究し、そしてあらゆるスタイルを自分のものにした、世界一の努力家ギタリストだ。

時代を考えれば、はっきり言って超絶テクどころじゃない。

死ぬまでギターを追求し続けたその姿勢が何よりすばらしい。


こちらは、彼の遺作となった2003年作「Solo Sessions」。


こんなジャケだが素晴らしいんだ、これが。

'82年から'92年にかけて自宅のスタジオで録りためてきた貴重な音源。

亡くなる6ヶ月前からポールヤンデールとエンジニアのマイクポストンたちによって開始されたプロジェクトで、チェットが亡くなった後も作業は続けられ、2003年に日の目を見た。

チェット未発表、初録音の曲も収録された珠玉の作品群。

ナイロン弦が美しく響く、リラックスした名盤だ。

Disc one
1.Ol' Man River (Oscar Hammerstein, Jerome Kern)
2. La Vie En Rose (David, Piaf. Louiguy)
3. In The Good Old Summertime (Traditional)
4. Sukiyaki (Ei, Nakamura)
5. The Cascades (Joplin, Schuller)
6. America the Beautiful (Traditional)
7. I Only Have Eyes For You (Dubin, Warren)
8. Lost Love Medley: I Can't Help It (Hank Williams) / If I Should Lose You (Rainger, Robin)
9. Hi Lilli, Hi Lo (Deutsch, Kaper)
10. Danny Boy (Traditional)
11. Bye Bye Blackbird (Mort Dixon, Ray Henderson)
12. Arkansas Traveler (Traditional)
13. Shadow Waltz (Dubin, Warren)
14. In The Garden (Traditional)

Disc two
1. Mr. Bojangles (Jerry Jeff Walker)
2. Polka Dots and Moonbeams (Jimmy Burke, Jimmy Van Heusen)
3. As Time Goes By (Corder, Douglas, Francis)
4. Walk, Don't Run (Johnny Smith)
5. Mystery Train (Junior Parker, Sam Phillips)
6. But Not For Me (George Gershwin, Ira Gershwin)
7. Magnetic Rag (Scott Joplin)
8. To 'B' or Not to 'B (Chet Atkins)
9. Dear Ol' Dadi (Chet Atkins)
10. Cowboy Medley:
       Cattle Call (Tex Owens)
       I'm An Old Cowhand (From The Rio Grand) (Johnny Mercer)
       Wagon Wheels (Rose, Hill)
       Back In The Saddle Again (Autry, Whitley)
       Happy Trails To You (Dale Evans)
11. Yesterdays (Jerome Kern, Otto Harbach)
12. Embraceable You (Gershwin, Gershwin)
13. Bicycle Built For Two (Traditional)
14. Amazing Grace (Traditional)



そしてこちらはRCAに残した1973年名作「ALONE」。

スパニッシュからハワイアン、そしてフォークソングやジャズスタンダード、映画主題歌等。。。名曲たちをガットギターとグレッチのエレキで使い分けて演奏している。

たった一本のギターで、幅広い音楽世界を表現する緻密なアレンジ力がすばらしい。

ギターのような音数が少ない楽器は、どんな巨大なオーケストラよりも、圧倒的にアレンジ表現するのは難しい。並じゃないアレンジセンスと説得力が問われる。



天才レニーブローとの共演盤「Standard Brands」。

美しい響きのアコギ2本によるデュオ名盤。レスポールやマークノップラーとのデュオも良いが、こちらも最高。

ジャズ風なスタイルではあるが、ジャズギタリストには発想できないような音色の鳴りを尊重し、ハーモニクスの掛け合いや和音展開を楽しんでいる。

本当に隅々まで行き届いた気の利いたアレンジがすばらしい。

'79年〜'81年にかけて、こつこつとナッシュビルで録音されたという。

何よりも二人の気持ち良さと楽しさ、そして「ギター好き」が伝わってくる名演だ。

 


 

彼の本当のすごさは、聴くだけじゃわからない、実際に弾いてみてないと伝わりにくい。右手の親指で低音弦を、ズン・チャッ、ズン・チャッ・・・その他の指でメロディーを強調しながら和音をつけていく。。。


「Guitar Of Chet Atkins」という中級〜上級者向けだが、あらゆるテクニックが凝縮された、本当にすばらしい教則DVDがある。こちらもオススメだ。



Chet Atkins - Mr.Bojangles
LLOYD MILLER - Sakura

多種多様な民族楽器マルチプレイヤーのロイドミラー。


中東やアジアなどのエキゾチックでアフロスピリチュアルな演奏にヨーロッパのモードジャズを融合したオリエンタルジャズのパイオニアでカリスマ的存在。


JEF GILSONと共演した10インチ盤が有名。

ウードやチェロ、バラフォン、マイクロルガン、琴、三味線などを弾きこなす。

ECM系のCollin WalcottやStephan Micus、Anouar Brahem辺りに共通するものがある。


こちら、日本の「さくら」もカヴァーした貴重な映像。
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