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Guitar Music, Jazz, Classic, Folk, Bossanova, ECM, Neue Musik. . . . . . . . . .and Sketches
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JACK DEJOHNETTE'S Directions - Untitled (ECM 1074)


1976年録音。ギターにジョンアバークロンビーを迎えた、ワンホーン・クインテット編成。ディジョネットECM初リーダー作であり、ダイレクションズ名義の最初のアルバムでもある。その後、ピアノのWarren Bernhardtが抜けピアノレス編成に変わる。

エレピやエフェクトの効いたギターが、'70年代を象徴するかのようなジャズロック、フリーキー、民族風、レゲエ風な楽曲まで幅広く、刺激的なサウンドを聴かせてくれる。

未CD化。

Jack DeJohnette's Directions - Untitled (ECM 1074)

A1. Flying Spirits
A2. Pansori Visions
A3. Fantastic
B1. The Vikings Are Coming
B2. Struttin
B3. Morning Star
B4. Malibu Reggae


Bass, Electric Bass - Mike Richmond
Drums - Jack DeJohnette
Guitar - John Abercrombie
Tenor Saxophone - Alex Foster
Piano - Warren Bernhardt


Engineer - Jan Erik Kongshaug
Producer - Manfred Eicher


Recorded February 1976 at Talent Studios, Oslo

PR
GARY BURTON - Seven Songs For Quartet And Chamber Orchestra (ECM 1040)


作曲、コンダクターにマイケルギブスを迎え、ハンブルク北ドイツ放送交響楽団とゲイリーバートン・カルテットとの共演。1973年録音盤。まさにクラシックとジャズを融合したサードストリームミュージックのような大作。

マイケルギブスは、イギリスを代表する作曲家であり「Deram」レーベルに初期代表作があり、後に映画音楽等も手掛ける。ジャズ〜プログレ〜クラシック〜現代音楽まで、ユニーク且つ難解な作品が多い。ゲイリーバートンとはバークリー音大で同期生。

ゲイリーバートン・カルテットには、スティーブスワロウ(b)とミックグッドリック(g)というECM屈指の理論派を迎えている。

静かで壮大なアレンジ、内相的且つ難解な室内楽的サウンド、そしてジャズロック的解釈のカルテット各楽器のソロ。シンフォニージャズの隠れ名盤とも言える。

エンジニアはECMに数多くの名録音を残しているMartin Wieland。

GARY BURTON - Seven Songs For Quartet And Chamber Orchestra (ECM 1040)

A1. Nocturne Vulgaire / Arise, Her Eyes  
A2. Throb  
A3. By Way Of A Preface 
B1. Phases
B2. The Rain Before It Falls
B3. Three

Vibraphone - Gary Burton

Bass - Steve Swallow
Guitar - Michael Goodrick
Drums - Ted Seibs
Orchestra - Members Of The NDR-Symphony Orchestra

Composed By - Steve Swallow

Composed By, Conductor - Michael Gibbs
Engineer - Martin Wieland
Engineer - Henning Ruete
Producer - Manfred Eicher

Recorded December 1973 in Hamburg

Hajo Weber/Ulrich Ingenbold - Winterreise (ECM 1235)

1982年録音。ドイツ出身のギタリスト Hajo Weberとフルート兼ギター奏者 Ulrich Ingenboldのデュオ作。おそらくECM唯一の作品。

彼らの詳細は不明だが、Hajo Weberのギタースタイルは、基本的には主旋律や単音ソロを中心に(おそらく)担当。速弾きもこなす(ピック弾きの)テクニシャン。ECMに例えるとビルコナーズ・タイプ。

Ulrich Ingenboldの方は、フルートはA1とB4のみで、他は全てギターを弾いている。しかもフィンガースタイルのクラシック寄りスタイルで、難解な奏法も弾きこなす。こちらは、ECMに例えるとラルフタウナー・タイプ。

この時代ドイツには、意外とこういうアコースティック・ギターデュオ作品が多い。しかもかなりのテクニシャンが多かった。フュージョン〜プログレ系、そしてジャズやフォーク畑出身者による、交流やデュオ作品は意外と多く残されている。本作も、その類いの美しいアコギ・デュオ隠れ名盤と言える。

エンジニアはECMに数多くの名録音を残しているMartin Wieland。

未CD化。


A1  Der Wundersame Weg
A2  Karussell 
A3  Winterreise
A4  Zweifel
B1  Sommerregen  
B2  Drehung In Der Luft 
B3  Filmmusik
B4  Son's Song 

Guitar – Hajo Weber
Guitar, Flute – Ulrich Ingenbold

Engineer – Martin Wieland
Producer – Manfred Eicher

Recorded March 1982 at Tonstudio Bauer, Ludwigsburg
Everyman Band (ECM 1234)

1982年録音。ルーリードバンドのBruce Yaw(b)とMichael Suchorsky(dr)、Martin Fogel(ts)の3人が、ECMにもリーダー作を残しているDavid Torn(g)と組んだ4人編成グループ「Everyman Band」。

David Tornと言えば、ジャズからポストロック、プログレ、フリー、ニューエイジ、前衛、実験音楽、映画音楽まで、幅広い音楽性で知られる。ループ・ギターやエフェクト効果等、トリッキーでヘヴィーなサウンドを聴かせる個性派ギタリスト。また、元ジャパンのベーシストMick Karn、元ザッパバンドのTerry BozzioとのユニットPolytownでも活躍。

本作は、ポストロック〜ニューウェーブ的でもあり、実験音楽的でもあるが、どちらかというと聴きやすく、わりとポップである。今聴くと、意外とビルフリゼールっぽかったり、ジョンゾーンの「Tzadik」っぽかったりする。

未CD化。

A1  Morals In The Mud  
A2  Japan Smiles  
A3  Lonely Streets   
A4  On The Spot 
B1  The Mummy Club 
B2  Nuclear Suite 
B3  Fatt Blatt  

Bass – Bruce Yaw
Drums – Michael Suchorsky
Guitar – David Torn
Saxophone – Martin Fogel

Engineer – Jan Erik Kongshaug
Producer – Manfred Eicher
"GUITAR" In Miles Davis

〜マイルス・ギターの世界

 

 '60年代後半頃からマイルスデイビスは、バンドの方向性を電気楽器の導入とポリリズムを前面に押し出し、いわゆる電化マイルス時代に突入する。
 曲をワン・コードだけで押し通し、ヴァリエーションやクロスリズムを活用して複雑化させる。例えば、ドラムが4/4拍子で叩くと、パーカッションは6/8拍子か7/4拍子、ギタリストは異なった拍子か、まったく違うリズムを演奏するという、リズム・セクションによる数学的ポリリズム。
 そして'70年代初頭キーボード奏者のひく演奏に拡張の限界を感じ、その解決策として新たなギタリストたちを起用していった。当時ジミヘンドリックスに惚れ込んでいたマイルスは、ギタリストを追加するたびに「別の味(another flavor)」を探していた。よりジミヘン的で、よりロック的なものを。マイルスのエレクトリック・ギターへの執着はジミヘンに対する憧れであり、常に「ジミヘンのようなギタリスト」を求めた。
 ある時、アートジャクソン(当時20歳)という若い黒人ギタリストと出会い、制作費を肩代わりし、CBSコロンビアから幻のアルバム「GOUT」の録音を行い、プロモ盤のみ制作されたが、謎の発売中止となった(最近再発された)。セールスを懸念しての中止か、もしくはAジャクソンのドラッグ中毒による活動不能説がある。また、ドミニクゴーモンの後任という話や、マイルスのトランペットをオーバーダビングで録音することを前提につくられたという説もあった。いずれにせよ、アートジャクソンとは謎多きギタリストであり、ある意味「ジミヘンのようなギタリスト」の犠牲者であった。。。
 
左がプロモ盤。右が奇跡の再発「GOUT」(LIMITED EDITION)。


〜マイルス・ギターの卒業生〜


Joe Beck
マイルスが初めて起用したと言われるジャズ・ギタリスト。フュージョンからバップ、ヴォーカリストのバッキングまで幅広いスタイル。
「Directions」に収録の「Water On The Pond」や「Circle In The Round」のB1に参加。「Circle In The Round」は、2管がメロディーを、2ドラムとチェレスタ、ベース、ギターは、リズム重視で複雑なポリリズム。かなり実験的な内容。


Bucky Pizzarelli
7弦ギターの名手で、ジョンピザレリのお父さん。ズートシムズ等と共演し、リーダー作も数多く残す。
「Directions」に収録の「Fun」に参加。こちらは新主流派的内容だが、ハービーハンコックが珍しくハープシコードをひいている。ギターは、ほぼベースラインを刻むようなリズムギターに撤している。マイルスが色んなギタリストを試している段階といった感じ。


George Benson
ソウルジャズを代表するギタリスト。当時ジャズ界トップクラスの速弾きテクニシャンだった。いまだ現役ばりばり。
'68「Miles in the Sky」の12分の長編曲「Paraphernalia」に参加。マイルスは、この時期から徐々にエレクトリック楽器を取り入れていく。後のマイルス・サウンドに比べるとギターの使い方は、まだ実験段階といった感じで、基本リズム重視だが、ちゃんとソロもある。その他「Directions」に収録の「Sanctuary」「Side Car II」もある。

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John McLaughlin
UKジャズを代表するギタリスト。マハヴィシュヌ・オーケストラを結成、スーパーギタートリオの一員。
当時ジミヘンに惚れ込んでいたマイルスが、マクラフリンに「ジミヘンドリックスの様に弾け」と指示したのは有名な話。'69「In A Silent Way」'70「Bitches Brew」'71「Jack Johnson」'71「Live Evil」などに参加。実質マイルス・ギターの世界は、彼から始まったといっていい。

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Sonny Sharrock
強烈な奥さんを持つギター界のアイラー。
'71「Jack Johnson」の「Yesternow」一曲のみに、マイルス作品唯一の参加。マクラフリンがリズムを刻み、Sシャーロックがエフェクトを駆使したえぐいノイズ・ギターを聴かせる。マイルスに「これを弾け」と不可能な16分音符が並んだ紙切れを渡され、何度もダメだしをされたとか。


Khalil Balakrishna
'71「Live-Evil」'72「In Concert」'74「Big Fun」'74「Get Up With It」等に参加。エレクトリック・シタール奏者。ライヴではワウをかけてギターのようなサウンドを出している。

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David Creamer
'72「On The Corner」のA2, B1, B2に参加。ワウによるリズムや浮遊系ギター・ソロもとっている。その他Crusaders, Brecker Brothers等の作品に参加。

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Collin Walcott
オレゴンの初期メンバー、天才シタール奏者。1984年交通事故死。ECMからもリーダー作を残している。
'72「On The Corner」のA1, B1, B2に参加、エレクトリック・シタール使用。

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Reggie Lucas
'72「In Concert」 '74「Dark Magus」 '75「Agharta」 '75「Pangaea」等に参加。この時期のマイルス・バンド中心人物。ほとんどソロは取らないが、リズミカルなカッティング・ギターと独特の和声感覚を併せ持つ。マイルス・バンド脱退後、リーダー作も残し、マドンナのプロデュースもした。
 

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Pete Cosey
'73年の最初と'75年の後半とでは、百万光年の差があると語ったピート・コージー。マイルスは、キーボード奏者のひく演奏に拡張の限界を感じ、その解決策として新たなギタリストを起用していった。'74「Dark Magus」 '75「Agharta」 '75「Pangaea」等に参加。Pコージーの代表作のひとつにマディウォーターズの「Electric Mud」がある。

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Dominique Gaumont
第3のギタリスト、ドミニクゴーモン。フランス出身。'83年交通事故死。'74「Dark Magus」等に参加。マイルスはギタリストを追加する時に「別の味(another flavor)」を求めた。「ジミヘンのようなギタリスト」を。

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Cornell Dupree
スタッフのギタリストでソロ作品も数多く残す名手。心地よい抜群のギターセンスが光る。
'74「Get Up With It」の「Red China Blues」のみ参加している。

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Mike Stern
バークリー音大出身のテクニシャン。ブレッカー、サンボーン、コブハム、ジャコパス等と共演。フュージョン第2世代。ソロ作も多く残している。
'81「Man With The Horn」 '82「We Want Miles」等に参加。ここからマイルス復帰後の'80年代に入り、サウンドもガラリと変わる。
 

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Barry Finnerty
当時売れっ子だったフュージョン・ギタリスト。クルセイダーズ参加やソロ作もある。'81「Man With The Horn」に参加。

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John Scofield
メセニーやビルフリと並び、第2世代のジャズ三大ギタリストの一人。
'83「Star People」 '84「Decoy」 '85「You're Under Arrest」等に参加。かなりシンセサイザーをフィーチャーしてきた時代。プリンスっぽい。そしてジョンスコが弾きまくる。

Carlos Santana
マイルスの信奉者であるサンタナ。'86「The King Of Priests」の「Burn」にてロベンフォードとともにライヴ共演。1986年の「25th Anniversary Benefit Concert」にて。

Robben Ford
デビューアルバムも良いが、リッキーリージョーンズのバッキングも素晴しい名演だったギタリスト。
'86「Tutu」「King Of Priests」等に参加。マイクスターンの後釜的存在。


Garth Webber
「Tutu」時代Concert in Belgradeに参加。


Bobby Broom
ロリンズのバックで増尾好秋と共に活躍したギタリスト。デビューは'81年。
「MINNEAPOLIS 1987」に参加。


Hiram Bullock
観客席を走り回る日本生まれのギタリスト。
「Live on Sunday Night 1989」に参加。


Foley
ベーシストながら、ほぼギターのように弾くヤツ。

Earl Klugh
アコギ・フュージョンの元祖。
'87「Music From Siesta」の「Claire」に参加。アールクルーらしいナイロン弦によるソロ。

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Michael Landau
スティーブルカサーが「世界で五本の指に入る」と賞賛した、玄人受けする職人肌のセッションプレイヤー。'89「Amandla」2のみ参加。

Steve Kahn
カリスマ的人気のフュージョン・ギタリスト。'89「Amandla」6のみ参加。

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Jean Paul Bourelly
ハイチ出身のジャズファンク系ギタリスト。ジミヘン・カヴァー・アルバムも残している。
'89「Amandla」3, 5に参加。

Billy Patterson
'89「Amandla」7のみ参加。

Bjarne Roupe
デンマークのギタリスト。Michael Mantlerの作品にも参加している。この時期のマイルスはECMの影響か、北欧のアーティストを多く起用している。'89「Aura」に参加。
 
Mark Rivett
'91「Dingo」に参加。
Ballaké Sissoko In JAPAN 2013


バラケシソコが来日した。
 
 西アフリカ、マリ共和国伝統のコラ奏者、バラケ・シソコ(Ballaké Sissoko)。2009年発表のチェロ奏者ヴァンサン・セガールとの共作「チェンバー・ミュージック」がフランスで大ヒットを記録し各メディアから絶賛される。フランス人が好む音楽は、きっと日本人も好きなはず。。。

今回は完全なソロでの演奏。すばらしかった。
 
 アフリカ音楽と言えば「リズミカルで明るく踊りまくる」といった勝手なイメージがあったが、民族によって、人や個人によっても、そして楽器によっても多種多様で様々だ。
 
 特に彼の音楽は、素朴で、物静かで、繊細で、品があって、そして遠慮深さまで感じられた。まるで幻想的なバッハの音楽を聴いてるかのような不思議な感覚。

気持ちの良い時間だった。。。

 コラという楽器は、ハープやギターの原型とも言われ、長いネックにヒョウタンの共鳴胴、そして21本の弦が張られている。両手の親指と人差し指でつまみ弾く様に演奏する。音色はハープやカリンバにも近く、フレーズはシタールを思わせる。アフリカの民族楽器の中でも最も美しい音色を持つ。
 






















"BEAUTIFUL" Guitars - Vol.1
美しいギター名演特集。



Fred Frith。イギリスを代表するアヴァンギャルド・ギタリスト、フレッドフリス。HENRY COWの創設メンバー。デレクベイリーと比較されることも多く、即興によるソロ作品から前衛ロック、Tzadik盤等、多彩なギタースタイル。



Keith Rowe。イギリス出身のAMMの創設者でありテーブルトップギターの先駆者、キースロウ。電子音響即興のゴッドファーザー的存在。



Eugene Chadbourne。アメリカ出身のジャンルを超越したギタリスト、ユージンチャドボーン。歌あり、叫び声あり、バンジョーも弾きこなすユニークなフリー音楽家。初期作は「Parachute」から数枚出ている。



Hans Reichel。改造ギターで有名なドイツ出身の前衛ギタリスト、ハンスライヒェル。ドイツのフリージャズレーベルFMPからもリーダー作を出している。
 


Eivind Aarset & Marc Ducret 他。ECMからもリーダー作を出したノルウェー出身のギタリスト、アイヴィンオールセット。フランス出身のフリージャズ系ギタリストのマークデュクレ。ギターとラップトップ、エレクトロニクス(Jan Bang, Gunnar Geisse)との共演。



Derek Bailey。絶大なカリスマ性を持つフリージャズ・ギタリスト、デレクベイリー。即興の可能性に生涯を捧げた真のインプロヴァイザー。こちらはエヴァンパーカーとの共演。



Arto Lindsay。ブラジル育ちの元Lounge Lizardsのメンバー、アートリンゼイ。ギタリストだけではなく、プロデューサーや作曲家としても多彩な才能を持つ。



Noel Akchote。フランス出身のエクスペリメンタル・ジャズ・ギタリスト、ノエルアクショテ。iTunesに大量に音源が配信されているように、ネット音楽配信の可能性をうまく利用している。



Taku Sugimoto。故・高柳昌行らと並ぶ日本を代表する硬派なギター即興演奏家、杉本拓。



Thurston Moore & Loren Mazzacane Connors。ロック界のカリスマ・ギタリスト、Sonic Youthのサーストンムーア。そしてブルースを感じるNYの宅録ギタリスト、ローレンマザケインコーナーズ。



Alan Licht。ノーウェーブからミニマルまで、マザケインとのデュオ作で有名。如何にもNYらしい前衛派ギタリスト、アランリクト。



Jim O'Rourke。日本通のポストロック〜ノイズまで幅広く活躍するギタリスト、ジムオルーク。デレクベイリーやジョンフェイヒーらに影響を受けている。



Marc Ribot。ジャズやロック等、ジャンルを超越したギタリスト、マークリボー。キューバ音楽〜フリージャズ〜ソロギター〜大物ロックアーティストのバック演奏まで、多才な才能の持ち主。



















THIRD STREAM MUSIC 〜第三の流れ〜
 
 あのチャーリーパーカーがヴァレーズに弟子入りを熱望したというのは有名な話だが、1950年代からジャズは多調性、12音主義、無調性など、ヨーロッパ近代音楽のあらゆる様式を網羅していく。
 マイルスデイビスは、クラシックの教会旋法=モードを導入し、ジョンコルトレーンやビルエヴァンス、ハービーハンコックらとともに「モーダル・ジャズ」の先駆者となる。
モダン・ジャズ・カルテット(M.J.Q.)のリーダー、ジョンルイスは、バロックからヨーロッパの近代、現代の作曲家の技法を研究し、ウェーベルンやメシアンの語法も試している。後にガンサーシュラーとともに、ジャズとクラシックの融合を目指した「サード・ストリーム・ミュージック(別名:第三の流れ)」を追求したが、失敗に終わったとされる。
しかし、今なお様々なアーティストに影響を与え続け、数多くの「血のつながった」作品が残されている。やがて映画音楽やロックやプログレ、ポピュラー音楽にまで、その影響を垣間みることが出来る。

 理論家ジョージラッセルの著書「リディアン・クロマティック・コンセプト」はシェーンベルクによる和声法の発展形とも考えられ、ジョンコルトレーンはバルトークのトニック・システム理論を研究し、1970年代のマイルスはシュトックハウゼンの電子音楽からの影響を認めている。
 本来ジャズとクラシックの融合を目指した「サード・ストリーム・ミュージック:第三の流れ」とは、ある意味「ヨーロッパとアメリカ」の融合を指していたのかもしれない。
 いずれにせよジャズファンからは人気のないジャンルということは確かだが。。。


Miles Davis + 19 - Miles Ahead / Columbia / CL 1041
 まだ「サード・ストリーム・ミュージック」という言葉が生まれる前、早くからマイルスもクラシックに興味を持っていた。
 1957年録音のジャズ史上最も重要な名コラボ、マイルスとギルエヴァンスによる3部作の第一弾。繊細なボイシングと斬新なアンサンブルで、マイルスのソロを引き立てるアレンジが素晴しい。絶妙の間の取り方や刺激的なサウンド、そしてギルの巧みな編曲が見事。ジャズ史上歴史に残るオーケストレーション名作。
◆Gil Evans(arr), Lee Konitz(as), Paul Chambers(b), Art Taylor(ds), Miles Davis(flg) 他


Lee Konitz - An Image / Verve / MGV8286
 クール派の申し子リーコニッツの1958年録音作。スタン・ケントン楽団のビルラッソによる編曲のストリングスをバックにリーコニッツがクールにアルトを吹く。チェロのアランシュールマン、ヴァイオリンのジーンオーロフが参加。ストリングス以外の編成はピアノレス・ギタートリオで、ギタリストは誰かは分からないが、おそらくビリーバウアー辺りか。
 アルバム通して薄暗い真夜中の雰囲気を醸し出し、奥深さ、複雑さ、そしてどこまでもクールな美しさを感じる唯一無比の音世界。
◆Lee Konitz(as), Bill Russo(arr), Gene Orloff(vln), Alan Shulman(cello), Lou Stein(p) 他


Chico Hamilton - With Strings Attached / Warner Bros / 1245
 早くからジムホールやエリックドルフィーらと共にクラシックとジャズを融合した室内楽的サウンドを実践していたチコハミルトン。
 1958年録音。ピアノレスでチェロやギター、そしてドルフィーの参加、さらにストリングスが加わった編成。クラシックを意識したアレンジで、品のある室内楽的アンサンブルが楽しめる。
◆Eric Dolphy(as,fl,bcl), Chico Hamilton(ds), Nat Gershman(Cello), Dennis Budimir(g), George Avakian(Producer), Fred Katz(arr) 他

John Lewis - Jazz Abstractions / Atlantic / 1365
 ここから「サード・ストリーム・ミュージック」という言葉が生まれた。ジョンルイス監修による1960年録音作。
 とにかく面子が物凄い。ビルエヴァンス、エリックドルフィー、オーネットコールマン、ジムホール、スコットラファロ、エディコスタ、ガンサーシュラー、そしてエンジニアにはフィルラモーン。。。この翌日にオーネットコールマンの「FREE JAZZ」が録音される。
 ガンサーシュラー作の1曲目は十二音セリーによる無調の作曲技法を取り入れ、2曲目はアヴァンギャルドなジムホールのギターが聴ける小品。3曲目以降はガンサーシュラーのアレンジによる、Jルイスの「ジャンゴ」とモンクの「クリスクロス」の変奏曲集。
 この作品後、ジョンルイスは「ORCHESTRA U.S.A.」「ESSENCE」など興味深いサードストリーム作品を立て続けに残している。
◆Bill Evans(p), Eric Dolphy(as,fl), Ornette Coleman(as), Jim Hall(g), Scott LaFaro(b), Eddie Costa(vib), Gunther Schuller(Composed), Phil Ramone(Engineer) 他


Jimmy Giuffre - Piece For Clarinet And String Orchestra"Mobiles" / V8395
 彼もまた「サード・ストリーム・ミュージック」の中心人物で、早くから室内楽+インプロヴィゼイションを軸に独創的なジャズを深究してきた。ポールブレイやジムホール、ボブブルックマイヤーらとの変則的編成のトリオを組み、作曲家、編曲家としても才能を開化させた。あのバールフィリップスが「彼は天才だった」と讃えたほど。。。
 1960年発表作。ジミージェフリー作曲「クラリネットと弦楽のための協奏曲」1〜5楽章と「Mobiles」1〜16の小品曲集の大作アルバム。
◆Jimmy Giuffre (cl), Wolfram Rohrig (con) 他


Stan Getz - Cool Velvet / Verve / MGV8379
 1960年録音。映画音楽等で有名なラッセルガルシアの壮大なオーケストレーションをバックに、一歩も引けをとらないスタンゲッツは流石。どこまでも甘く切なくロマンチックに、そしてメランコリックに響き渡るテナーと、それを引き立たせる正統派なアレンジも見事。
◆Russell Garcia(arr), Stan Getz(ts), Jan Johansson(p) Blanche Birdsong(harp), Dave Hildinger(vib) 他

Bill Evans Trio With Symphony Orchestra / Verve / V8640
 1965年録音。ビルエヴァンスのピアノトリオがクラウスオガーマン編曲のオーケストラをバックにクラシック曲を演奏した作品。グラナドスの「Granadas」、バッハの「Valse」、スクリャービンの「Prelude」、フォーレの「Pavane」、ショパンの「Blue Interlude」などクラシック作品を取り上げている。
 クラウスオガーマンといえばVERVEやA&M/CTIの一連の作品やボサノバ名作等々、数多く歴史的名作のアレンジを担当してきた巨匠だ。本作もエヴァンスの叙情性をいかした編曲が素晴しい。
◆Bill Evans(p), Claus Ogerman(arr), Rudy Van Gelder(Engineer), Creed Taylor(Producer) 他

Andrew Hill - One For One / Blue Note / BNLA459H2
 1965と'69と'70年録音のブルーノート未発表作。ストリングスをバックにアンドリューヒルがピアノ・ソロをとる非常にアブストラクトでクールな作品。
 ブルーノートとストリングスというのはあまりイメージにないが、本作は見事にヒルのオリジナル曲にはまっている。彼の曲は特異なメロディーやハーモニーセンス、変拍子などの独特な曲が多いので、クラシックや現音風のアレンジによく合う。
◆Andrew Hill(p), Joe Henderson(ts), Bennie Maupin(ts,fl), Charles Tolliver(tp), Freddie Hubbard(tp), Richard Davis(b), Ron Carter(b), Bennie Maupin(ts,fl,bcl), Joe Chambers (ds) 他

Joe Zawinul - The Rise & Fall Of The Third Stream / Vortex Records / SD2002
 1967年録音。その名も「サード・ストリームの興亡」というタイトル。作編曲家のウィリアムフィッシャーとプロジェクトをスタートし、当初図形記譜法の解釈に苦労したという。
 クラシックとジャズの融合、ゴスペル、スピリチュアル、ストリングスやパーカッションを加えた民族風のアレンジ。本作の後、彼はマイルス・バンドに加入する。マイルスの新主流派時代やビッチェズブリューのサウンドも少し彷彿とさせる実験的作品。
◆Joe Zawinul(p), Richard Davis(b), Jimmy Owens(tp), William Fischer(arr), Joel Dorn(Producer) 他

George Russell - Electronic Sonata For Souls Loved By Nature / Flying Dutchman / FD10124
 著書「リディアン・クロマティック・コンセプト」で有名なジャズ界一のひねくれ巨匠ジョージラッセル。
 1969年録音。今やECMを代表するヤンガルバレクやテリエリピダル、ヨンクリステンセンに加えマンフレッドショーフ、レッドミッチェル等が参加している。AB面各1曲の2部構成。
 未来や宇宙を想像させるスリリングなサウンドコラージュ、スピリチュアルな民族楽器によるポリリズム、参加アーティストたちの強烈なソロ、そして何よりGラッセルの複雑なアレンジが最高にカッコいい。彼もまた、ジャズという大衆音楽を芸術の域にまで高めた一人。
◆George Russell(p/arr), Red Mitchell (b), Jon Christensen(ds), Terje Rypdal(g), Jan Garbarek(ts), Manfred Schoof(tp) 他
 
Jacques Loussier - Bach's Brandenburg Concerto No. 5 / Decca / PFS4176
 バッハ作品のジャズ演奏専門家といっても過言ではないピアニスト、ジャックルーシェ。エミネムが彼の曲をネタで使って訴えられたというのは有名な話。
 本作は1970年ブランデンブルク協奏曲の初録音。ジャズファンからは敬遠されがちな作品だが、意外と好アレンジと名録音、そして軽快なピアノ・テクニックは圧巻。
◆Conductor, Arranged By Jacques Loussier, Royal Philharmonic Orchestra 


Michael Gibbs - Tanglewood 63 / Deram / SML 1087
 MギャーリックやMウエストブルックに並んで英国ジャズを代表する作編曲家のマイケルギブス。1970年録音。クラシックだけではなく、ロックやフリージャズ、ファンク、そしてスイング・ビッグバンドから現代音楽まで飲み込んだクロスオーバー的内容。マーチング風ビッグバンド形式の凝りに凝った編曲や各楽器のトリルによる効果音的なサウンドコラージュが随所に出てくる。
 この時代のUKジャズの名盤系は、いつも似たような面子だが、いつ見ても物凄い。
◆Michael Gibbs(Conductor), Gordon Beck(p), John Taylor(p), Chris Spedding(g), Alan Skidmore(sax), John Surman(sax), Harry Beckett(tp), Kenny Wheeler(tp), Peter Eden(Producer) 他
 

Neil Ardley A Symphony Of Amaranths / Regal Zonophone / SLRZ 1028
 New Jazz Orchestraの音楽監督ニールアーダレイ。レイモンドプレムルやビルラッソに師事。
 本作は1971年録音でシンフォニックなクラシックとジャズロックの融合。ヨーロッパならではのダイナミックなオーケストレーション。この時代ならではのステレオ・サウンドを意識したミックスも特徴的。
 UKジャズ名盤の常連ドンレンデルやノーマウィンストンも参加。
◆Jack Rothstein(Conductor), John Mackswith(Engineer), Neil Ardley(p,Music/Written), Stan Tracey(p), Don Rendell(ts), Norma Winstone(vo) 他

Hubert Laws - Wild Flower / Atlantic / SD1624
 CTIに残した「アフロ・クラシック」や「春の祭典」などクラシックからフュージョンまで幅広く活躍したフルート奏者、ヒューバートロウズによる1971年録音作品。ストリングスをバックにロウズのフルートが響き渡る。大胆な弦楽アンサンブルを多用したアレンジが重圧で秀逸。最終曲はストリングス+アフリカン・パーカッションが幻想的で面白い。
◆Hubert Laws(fl), Ron Carter(b), John Murtaugh(arr), John Murtaugh(Conductor), Joel Dorn(Producer) 他

Don Sebesky - Three Works For Jazz Soloists & Symphony Orchestra / Gryphon / G910
 ドンセベスキーといえば、シナトラやウェスモンゴメリー、ジムホールなど数多くの名作のアレンジを担当した巨匠。本作はその彼の数少ないリーダー作でジャズコンボ+シンフォニーのための組曲「ジャズ・コンチェルト」。1979年録音。
 1曲目はストラビンスキーの「春の祭典」を素材に五つのジャズ楽器のためのコンチェルト風にアレンジ。2曲目以降はバルトークとチャーリーパーカーの音楽にインスパイアされて書いた3楽章の大作。最後はバッハの曲から短いメロディーを選んで書いたバッハへの讃歌ともいえる小曲。
 まさにジャズとクラシックを融合した抜群のセンスと各ソロの好演奏、これぞサード・ストリーム・ミュージックといえる名作。
◆Don Sebesky(arr,p), Bob Brookmeyer(tb), Alex Foster(sax,bcl), Richard Davis(b), Jimmy Madison(ds), Joe Beck(g), Gordon Beck(p), Royal Philharmonic Orchestra, Keith Grant(Recorded), Norman Schwartz(Producer) 他
 
 
TOM VAN DER GELD - Path (ECM 1134)

 


ヴィブラフォン奏者トムファンデアゲルドの1979年作。ECM1113の「Children At Play」に続くリーダー作第2弾。未CD化。
 
ヴァイブとギターと管の変則トリオ編成。
 
本作を簡単に言ってしまえばECM1056/ラルフタウナーとゲイリーバートンの「Matchbook」と ECM1093/ヤンガルバレクとラルフタウナーの「Dis」を足して2で割ったような作品。

基本的にアコギのアルペジオやヴァイブの和音が広い空間に響き渡り、その上を管がテーマやソロをとる。曲によっては、ギターが多重録音だったり、ソロを取ったり、もちろんヴァイブもソロを取る。
 
中でも興味深いのはビルコナーズのギターで、彼はReturn To Forever時代(1973〜74年頃)はバリバリのエレキを弾いていたが、一転してECMのリーダー3作品ではアコギを弾き、更にその後はエレキを弾きまくったリーダー作を80年代以降に残している。
 
ビルコナーズのECMでのアコギは、RタウナーやEジスモンチらのスチールギター使用時の音色によく似ている。影響を受けているのか、彼自身の趣味なのか、またはアイヒャーの趣味なのか、たまたま当時のジャズ/フュージョン系アコギの音の主流だったのか、そう言えばラリーコリエル辺りもこんなアコギの音色だったような。。。しかし、なぜ「ECM1158」('79年)以降、コナーズはECMに参加作すらないのか?、、嫌気がさしたのか、、アイヒャーの意向か、、不明。。にしても80年代の彼のリーダー作はECM時代とは全くの別人だ。
 
トムファンデアゲルドも同様にこの後、Kenny Wheelerの「Around 6」とJAPOの「Out Patients」を最後にECMを去っている。そう言えば、彼はレコーディング中アイヒャーに「まるでレッドノーヴォだ」とダメだしを受けたとか言うエピーソードもあった。。。

TOM VAN DER GELD - Path (ECM 1134)
 

A1. One
A2. Eevee
A3. Joujou
B1. Michi
B2. Joys And Sorrows

Vibraphone - Tom Van Der Geld
Flute, Soprano Saxophone, Oboe - Roger Jannotta
Guitar - Bill Connors

Engineer – Martin Wieland
Producer – Manfred Eicher

Recorded February 1979 at Tonstudio Bauer, Ludwigsburg

MAGOG - Magog (JAPO 60011)

Magog - Magog
JAPO 60011
 
本作はECM傘下のJAPOに残した1976作品。
 
'60年代初めスイスのハードバップ・トランぺッターとして活躍したHANS KENNELやサヒブシハブらと共演歴のあるピアニストKlaus Koenig、そしてTCBのオーナーPeter Schmidlinが中心のスイスジャズ界で最も大きな影響力を持ったジャズ・ロック・グループMAGOG。
 
サイケデリックなジャズファンクの「Lock」。新主流派モードジャズの「Gogam」。A3とB2は少々フリーキーな演奏。そしてB1「Der Bachstelzer」は変拍子のリズムを刻むエレピ・トリオをバックにミュート・トランペットとソプラノ、トロンボーンがソロをとる、かなりクールでカッコいい曲、一押し。。。「New Samba」はタイトル通りボッサ風のリズミックな明るめの曲。
 
最近TCBから初CD化?された。Peter Schmidlin自らが最新リマスターしている。
 
A1.Lock
A2.Gogam
A3.Rhoades
B1.Der Bachstelzer
B2.Summervogel
B3.New Samba
 
Bass - Peter Frei
Drums, Percussion - Peter Schmidlin
Piano, Electric Piano, Percussion - Klaus Koenig
Saxophone, Flute, Percussion - Andy Scherrer
Trombone, Percussion - Paul Haag
Trumpet, Flugelhorn, Percussion - Hans Kennel
 
Engineer - Carlos Albrecht, Martin Wieland
 
Recorded 1, 2, November 1974 at Tonstudio Bauer, Ludwigsburg.
ECMとブルーノート

〜対極にあるジャズ最大のレーベルの意外な共通点〜
 ECMとブルーノートの創設者はともにドイツ人だった。ECMを創設した1969年は、ブルーノートがリバティへ身売りを経て、創立三十周年を迎えた年でもあった。すでにライオンも引退した後で、ある意味ハードバップのブルーノートがその一時代の役目を終え、来るべきコンテンポラリー・ジャズのECMにトーチを渡した形になった。
 一貫した音楽とサウンド、そしてクオリティーの高いジャケット・デザインが象徴的で、バウハウスのモダニズムの影響を受けたブルーノートのジャケット、そしてECMはバーバラヴォユルシュを中心とした美しい写真やアートワーク。
ブルーノートのエンジニア、RVGことルディヴァンゲルダーの録音とカッティング技術は、今やレコードコレクターから絶大な人気を誇る。まるで「すぐ目の前でジャズメンが演奏している」ように錯覚してしまうが、実際にはかなり作り込んだ音であり、ライヴでこの音を再現するのは困難。片やECMはジャズの常識を覆す、まるでコンサート・ホールでの演奏を聴いているようなリヴァーブの効いた透明感あふれるステレオ・サウンド。真逆を行く録音技術だが、ブルーノートもECMも決してナマ音ではなく、いわゆる「録音芸術」の域に達している。
 全くタイプの違う音楽だが、レーベルのカラーを象徴する統一されたサウンド個性を持ち、ともに時代の先端を歩んできたジャズを代表するレーベルである。


〜2人のドイツ人創設者〜
◆BN アルフレッド・ライオン (1908年4月21日 - 1987年2月2日)
ドイツ・ベルリン生まれ。1939年ブルーノート・レコードを設立。バウハウスに傾倒するベルリンの美術青年であった。作品が売れようが売れまいが、ジャズの新しい姿を記録に残すことがブルーノートの創業精神だったという・・・そこが何より素晴しい。完璧主義が故、皮肉にもブルーノートにはお蔵入りの名作がやたら多い。。ちょうどライオンが引退する頃、ECMが産声を上げる。
◆ECM マンフレート・アイヒャー (1943年7月9日 - )
ドイツ・バイエルン生まれ。ベルリン・フィルのコントラバス奏者を経て、クラシックのグラモフォンで録音助手として自立し、1969年にECMレコードを設立。独裁、美的センス、前衛的精神、そして誠実さを併せ持つ。それまでのジャズの常識を破る透明度の高いサウンドやジャケットデザイン、そして変則的な編成やソロ名作の数々を世に送り出す。デイブホランドの批判やリッチーバイラークとの関係など諸々あるが、結局皆彼を天才と呼ぶ。メレディスモンクの「マンフレートが興味を持っているのは半年後のセールスではなく、10年後の音の響き」とは有名なコメント。


〜名エンジニアによる録音技術〜
◆BN ルディ・ヴァン・ゲルダー (1924年11月2日 - )
ニュージャージー生まれ。ジャズ史上最も重要な伝説的レコーディング・エンジニア。中音域の存在感や迫力、図太さ、艶、そしてモノラル録音が特にすばらしい。一部の批評家(クラッシク系)からは、しょぼいピアノの音が評判よろしくない。。ブルーノートやプレスティッジ、サヴォイ、インパルス、CTI等に名録音を数多く残している。
◆ECM ヤン・エリック・コングスハウク (1944 年7月4日 - )
トロンヘイム生まれ。ギタリストでもあるオスロのレインボースタジオの主。ECMの強烈な個性を特徴づける、ジャズらしからぬ独特の透明感あふれる「クリスタルサウンド」と呼ばれる音を創り上げた名エンジニア。



〜レーベルカラーを象徴するジャケットデザイン〜
◆BN リード・マイルス(1927年7月4日 - 1993年2月2日)
シカゴ生まれ。グラフィックデザイナー。バウハウスのモダニズムの影響を受けたブルーノートのジャケット・デザイン、レコード番号1500番台~4000番台前半の大半を手がける。彼はジャズに興味なく、クラシック音楽が好きだったそう。。
◆ECM バーバラ・ヴォユルシュ
音楽と同様に美しいモノクロを多用した写真やタイポグラフ、フリーハンドで書くレタリングなどシンプルでミニマルな世界観は際立った存在感を持つ。ECMを象徴する大きな役割を果たしたカヴァー・アートの数々は写真集にもなった。


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PIERRE BENSUSAN - Intuite

フランス出身のギタリスト、ピエールベンスーザン(1957年10月30日生まれ)。17歳でプロデビュー。DADGADと呼ばれる変則チューニングが有名。フィンガーピッカー最高峰の名手。

ケルティック、フォーク、ジャズ、アラブ音楽、シャンソン、アフリカ音楽などから影響を受け、アーティストにはデイヴィグレアムやジョンレンボーン、ニックジョーンズ、マーティンカーシーらを挙げている。
 
基本的にケルティックや英国トラッドフォーク、アラブ音楽のような楽曲が多く、中世/ルネッサンスからバロックも彷彿とさせる、アメリカのギタリストにはないミステリアスで美しい楽曲が魅力的。
 
本作はその彼の2001年作品で全篇ソロギターによる演奏。生きる伝説とも呼ばれた超絶技巧の持ち主だが、あくまで彼の魅力は楽曲のすばらしさにある。
 
多様な民族音楽のエッセンス、叙情的メロディーやハーモニーセンス、艶のあるトーン・コントロール、臨場感あふれるアルペジオ、流れるようなフレージング。そして転調、3連符、不協和音などがサラリと導入されたテクニック。ほぼインプロヴィゼイションのような演奏だ。
 
故マイケルヘッジスに捧げた「SO LONG MICHAEL」。Scarborough Fairのメロディを引用した「En Route From Scarborough」。そして彼の真骨頂である甘く切ないバラード「L'Alchimiste」や「Silent Passenger」が特に素晴しい。
 
PIERRE BENSUSAN - Intuite
 
1. Kadourimdou
2. The Welsh Arrow
3. So Long Michael
4. Intuite
5. Bouree Voltige
6. Le Jardin D'Adonis
7. La Hora Espanola
8. L'Alchimiste
9. Agadiramadan
10. En Route From Scarborough
11. Silent Passenger

RICK RUSKIN - Once Upon A Time

デトロイト出身のギタリスト、リックラスキン。
インストによるソロ・アコースティック・ギターの先駆者的存在であり、中川イサトをはじめアコギファンから絶大な人気を誇るカリスマ。Rev. Gary Davisに師事し、'70年代からソロ作をリリースし続けている。
 
本作はその彼の新録ではないが、これまで入手困難だった1974〜90年代までのソロギターを中心にした作品集。しかも新たにリミックス&リマスターが施されているのが嬉しい。

ポピュラー曲やジャズスタンダードからオリジナル曲までを全20曲収録。
 
タコマ時代の名演の数々やルイスロスとのデュエット、入手困難だった「Turn The Page」からのソロ3曲。

そして4曲のビートルズ作品「Here, There And Everywhere」「Here Comes The Sun」「You Won't See Me」「Life Is Within You And Without You」、イーグルスの「I Can’t Tell You Why」、ビーチボーイズの「California Girls」、スティーリーダンの「Riki Don't Lose That Number」「Josie」。

セロニアスモンクの「Blue Monk」、ガーシュウィンの「Prelude Number Two」、レイチャールズで有名な「Georgia On My Mind」、ゲイリーデイヴィスの「Slow Drag」、ラグタイム作品「Temptation Rag」、トラディショナル作品の「Georgia Camp Meeting」、スウィング作品の「Sweet Georgia Brown」も収録。
 
本当に隅々まで気の利いた妥協のないアレンジ力に圧倒されるが、いたってシンプルにさらりと聴かせる凄さ。彼の良さは、ほぼレギュラーチューニングで、最近流行のタッピングは使わないし、どんなカヴァーでも自分のスタイルを見失わない個性、そこがまず何より素晴しい。
 
緻密だけど自然体。硬質だけど癒される。

改めて彼のギターの豊かな音楽性と歴史を辿るに相応しい聴き応え充分の作品だ。
 
 
RICK RUSKIN - Once Upon A Time
 
1. Lost in the Desert
2. Repeat After Me
3. Whispers
4. Georgia on My Mind
5. California Girls
6. Good Vibrations
7. I Can't Tell You Why
8. Josie
9. Riki Don't Lose That Number
10. 40 Yards Back
11. Gershwin Prelude # 2
12. Blue Monk
13. Sweet Georgia Brown
14. Georgia Camp Meeting
15. You Won't See Me
16. Here, There, & Everywhere
17. Temptation Rag
18. Slow Drag
19. Life Is Within You and Without You
20. Here Comes the Sun
ZE PAULO BECKER - Lendas Brasileiras

今やブラジル屈指のガット・ソリスト、ゼパウロベッケル。
1969年生まれ。10歳からギターを始め、12歳でクラシックギターを学び、オサントスやマルコペレイラなど一流ギタリストに師事。ショーロのユニット、トリオマデイラブラジルのリーダーとしても活躍。
 
本作はその彼の2001年のデビュー作。サンバ、ボサノバ、MPBなどの名曲のカヴァー集で全曲ガットギターによるソロと数曲パーカッション入りのシンプルな編成。
 
ジスモンチの名曲「Palhaco」を美しく聴かせ、ジャヴァンの「Fato Consumado」をリズミックにユニークに演奏。他、カルトーラやジョビン、ギンガの曲も収録。
 
バーデンパウエルやジスモンチたちとはちょっと異なるタイプ。音符上での感情表現や"間"をしっかり自分のものにしている所は、いかにもクラシックあがり。
 
卓越した技術と無駄のない洗練されたアレンジ。それでいて自然体でしなやか、そして強さ、歌心溢れるギターへの愛情が詰まったボサギター名盤。
 
ZE PAULO BECKER - Lendas Brasileiras
 
1. Amor Proibido
2. Chovendo na Roseira
3. Feira de Mangaio
4. Todo o Sentimento
5. Folhas Secas
6. Lendas Brasileiras
7. Feitiço da Vila
8. Choro Bandido
9. Infancia
10. Palhaco
11. Fato Consumado
12. Gotas de Ouro
LEO BROUWER - Rara

レオブローウェル。1939年3月1日生まれ。
キューバを代表するギタリスト兼作曲家、指揮者。代表曲に「11月のある日」や「舞踏礼賛」等がある。後期はノーノやクセナキスの影響を受け現代音楽寄りの作曲やギター協奏曲も手がけている。
 
本作はその彼の後期作品で、前衛ギター曲集といった内容。アルバム「Musique Contemporaine Pour Guitare」に3曲プラスした2002年リリース盤。
 
コーネリアスカーデューやドイツの作曲家ハンスヴェルナーヘンツェ、イタリアのシルヴァーノブッソッティ、モロッコのモーリスオアナ、キューバのブランコなどの前衛作家の楽曲を取り上げている。
 
切れ味鋭いフィンガリング、不協和音、不規則なリズム、特殊技術、そして美しい響きと、どこまでもクールな独奏性。
 
かなりの超絶技巧で前衛的内容だが、非常に聴きやすい。
 
1曲目と3曲目はギターを左右に振り分けて録られている多重録音。その他はギター独奏となっている。
Leo Brouwer - Rara
Deutsche Grammophon / 471 589-2
 
1.Material
By Cornelius Cardew
2.Memories
By Hans Werner Henze
3. Exaedros I
By Leo Brouwer
4.Rara (Eco Sierologico)
By Sylvano Bussotti
5.Si Le Jour Paraît ...
By Maurice Ohana
6.Perludi Para Guitarra
By Josep Maria Mestres Quadreny
7.Serenata Per Chitarra
By Girolamo Arrigo
8.La Espiral Eterna
By Leo Brouwer
9.Codex I
By Cristóbal Halffter
10.Contrapunto Especial III-c
By Juan Blanco
 
Guitar – Leo Brouwer
 
JIM HALL - LIVE Vol. 2-4

ジムホール。1930年12月4日生まれ。てことは現在82歳。現役で進化し続けるジャズギター界の巨匠。あらゆる人気ギタリストたちは皆彼から影響を受けている。メセニーやビルフリ、ジョンスコ、アバークロンビー、カート、、、そして高柳昌行やデレクベイリーも。。。

本作はその彼の1975年発表の名作「LIVE!」(A&M)の続編?未発表音源集「Live Vol.2-4」。CDが3枚とDVDが1枚(高音質オーディオデータ)と 豪華ブックレット付。1975年6月11、12、13日のカナダ・トロントでのライヴ録音。

彼のトリオによる絶頂期といえる内容。今まで未発表だったことが信じられない。やっぱり'70年代のジムホールはハズレなし。しかも重複している曲が1曲もないのが嬉しい。

誰もが認める卓越したコードワーク、ハーモナイズ・センス、ベースとのヴォイシング・コンビ、モチーフを柔軟に扱ったアプローチなどなど、、、、、あげると切りがない。シングル・ラインから復音、ハーモニーワーク、コードストロークに至るまで多彩極まりない。聴けば聴くほど奥深い。

disc1の「3. Valse Hot」ソニーロリンズによる有名なワルツ曲で、「Live In Tokyo」やビルフリゼールとの共演盤、アートファーマーのカルテットでも演奏していた。同じく「7. Fly Me To The Moon」はボサノバ・スタンダードとして有名だが、ここでは意外な4ビートによるアレンジがスインギーでユニーク。

disc2の「1. Secret Love」静かなモード風の曲調がクールで良い。同じく「6. Body And Soul」彼は過去何度も名演を残しているが、今回も負けないくらいテーマとソロが美しい名演奏。「7. Careful」も数多く取り上げてきたジムホールお馴染みの代表曲。コードワークが聴き所。

disc3の「1. Someday My Prince Will Come」そう言えば、彼のこの曲は初めてかも、、、過去に無かったような、、、意外に初お披露目?「2. Come Rain Or Come Shine」もジミージェフリー3以外はないかも、コレはかなりいい演奏だ。他にも「4. Everything I Love」と「7. The Theme」も初っぽい気がする。。。「5. Blue Dove」は、優しいメロディーが印象的なスペイン民謡で「Jim Hall and Red Mitchell」や「Concierto」にも収録されていた。
 
ジャケット・カヴァーも厚紙仕様でズッシリ。123ページにも及ぶブックレットには本アルバムのメンバー、ジムホール、ドントンプソン、テリークラークのコメントや交流のあるアーティストたち(パットメセニーやクリスポッター等)のインタビュー、そしてマスタリング使用機材のドン・トンプソンによる解説、当時の新聞の切抜き、秘蔵写真などが掲載されている。


〜「Jim Hall - Live! Vol.2-4」〜
Bass - Don Thompson
Drums - Terry Clarke
Guitar - Jim Hall
Mixed By, Mastered By - Don Thompson
Mastered By - Chad Irschick
Producer, Liner Notes - Brian Camelio
 
■disc1 - Live Vol.2 : recorded live on June 12th, 1975 at Bourbon Street, Toronto, Ontario, Canada
1. How Deep Is The Ocean
by Irving Berlin
2. Emily
by Johnny Mandel, Johnny Mercer
3. Valse Hot
by Sonny Rollins
4. Love Letters
by Edward Heyman,Victor Young
5. Chelsea Bridge
by Billy Strayhorn
6. Something Tells Me
by Jane Hall
7. Fly Me To The Moon
by Bart Howard

■disc2 - Live Vol.3 : recorded live on June 11th, 1975 at Bourbon Street, Toronto, Ontario, Canada
1. Secret Love
by Sammy Fain,Paul Francis Webster
2. Baubles, Bangles and Beads
by George Forrest,Robert C. Wright
3. In A Sentimental Mood
by Duke Ellington
4. Star Eyes
by Gene de Paul,Don Raye
5. Where Would I Be?
by Jane Herbert
6. Body And Soul
by Edward Heyman,Robert Sour,Frank EytonJohnny Green
7. Careful
by Jim Hall

■disc3 - Live Vol.4 : recorded live on June 13th, 1975 at Bourbon Street, Toronto, Ontario, Canada
1. Someday My Prince Will Come
by Frank Churchill,Larry Morey
2. Come Rain Or Come Shine
by Harold Arlen ,Johnny Mercer
3. Prelude To A Kiss
by Duke Ellington,Irving Gordon,Irving Mills
4. Everything I Love
by Cole Porter
5. Blue Dove
by Mexican folk song
6. Embraceable You
by George Gershwin,Ira Gershwin
7. The Theme
by Kenny Dorham
 
■disc4  - Live Vol.2-4 : Audio Files (DVD - Audio files: High resolution - 24bit/48k. Files to be used with iTunes or Windows Media Player)


こちらが名作「LIVE!」(A&M)。1975年6月録音で日にちは不明。プロデューサーはJohn Snyder。



すばらしい教則本もいくつか出ている。

■ジャズインプロヴィゼイション/日音楽譜出版社
(左)「1」監修:高柳昌行/(右)「2」監修:ジムホール
アドリブソロのコピー譜が中心で、「1」は高柳昌行がコードワーク等について細かに解説している。「2」の方はジムホール本人が各曲解説している。


■(左下)ジャズ・ギターの探検/リットーミュージック
■(右下)ジャズ・ギター・レジェンズVol.1/シンコーミュージック
ジムホール本人が書き下ろした「ジャズ・ギターの探検」。作曲法からインプロヴィゼーション、メンタル面までジムホールの人柄が現れている名著。「ジャズ・ギター・レジェンズVol.1」も意外と充実した内容で、ディスコグラフィーや楽器、機材の紹介、本人インタビューやエピソード、ギター奏法の解説や譜面も掲載。ジムホール・ファンは必見。



ジムホール・ファン必見のすばらしいサイトもある
↓↓↓ 
Jim Hall Maniacs
ジム・ホール Jim Hall アルバム蒐集

 

GENE BERTONCINI / MICHAEL MOORE - Two in Time

GENE BERTONCINI / MICHAEL MOORE - Two in Time
CHIAROSCURO / CR(D)308

アコースティックギターの名手 GENE BERTONCINI 。ウェザーリポートの初代メンバーにギタリストとして加入予定だったと噂され、ウェインショーターの「Odyssey of Iska」でも強烈なエレキを弾いていた人。

ベーシスト MICHAEL MOORE。ケニーバロンやアートファーマー、そしてジミーレイニーとダグレイニーの親子共演盤「Stolen Moments 」(Steeplechase)でベースを弾いていた名手。

本作はその彼らのアコギとベースによるデュオ作1989年盤。非常に押し引きのうまい2人で、相性もとても良い。有名なジャズ・スタンダード曲で構成されている。

美しいアコギの響き。それに寄り添うようにベースがリズムを刻み、時折力強く大胆にソロをとる。するとそれを持ち上げるようにバッキングで引き立て役に撤するギター。テーマ、ソロ、バッキング、アレンジ、構成力など、、、何処をとっても名演、名作、名コンビだ。

静かに始まるギターの単音テーマによる「It had to be You」、イントロのソロギターとアルコによるベースソロにうっとりする「Bad and The Beautiful」、たった2本の弦楽器でも十分気持ちよくスイングする「Killer Joe」、ビルエヴァンスの名演を思い出してしまう「I'm All Smiles」、そして切ないメロディーについジーンとくる「Spring Can Really Hang You Up The Most」からのメドレー。。。

どの曲も美しく、繊細で、うっとり、しっとり、気持ちのいいアルバムだ。疲れた時はコレだねって言える名盤。最近の愛聴盤。

GENE BERTONCINI / MICHAEL MOORE - Two in Time
CHIAROSCURO / CR(D)308

1. It had to be You
2. I'm Getting Sentimental Over You
3. The Bad and The Beautiful/Laura
4. Killer Joe
5. Chopin prelude/Django
6. Whisper Not
7. Cherokee
8. These Foolish Things
9. Wonderful Girl
10. You've Changed
11. I'm All Smiles
12. The Lilter
13. It Might as Well Be Spring/Spring Can Really Hang You Up The Most


本作以外にも彼ら2人の作品は過去に数枚ある。

「1977: Bridges - with Michael Moore」

「1984: Close Ties - with Michael Moore」

「1986: O Grande Amor - with Michael Moore」

「1987: Strollin' - with Michael Moore」
BARRY WEDGLE - Kake

アメリカ、デンバー出身のギタリスト Barry Wedgle。スティーブレイシーや日本人ベーシスト 杉山茂生と共演歴があり、「Capri Records」からもリーダー作を残している。クラシック〜フラメンコ、バップ路線のクリエイティブさも兼ね備えた卓越したテクニックの持ち主。
 
本作は彼のデビュー作1982年盤。「ALL-OUT」で有名なヴォーカリスト JAY CLAYTONやオレゴンのCollin WalcottとPaul McCandlessも参加している。
 
幻想的なコーラスから始まり、ECM風のアコギによる複雑な和音が印象的なA2。A3は一転してビッグバンドのような分厚いアレンジ。そしてA4はクールなモードジャズ風。
 
B面は民族音楽風の曲調が多く、もろラルフタウナーやジスモンチを思わせるアコギやオレゴン風のタブラ等のパーカッションがエキゾチックな雰囲気を醸し出している。いい感じのエスニック・ジャズだ。

ジャケ違いでCDもあるようだ。
 
BARRY WEDGLE ‎– Kake
Wonderful World Records
 
A1.Bird Voices
A2.Spring Can
A3.La Cruz
A4.Kake
B1.Rio Bamba
B2.Cuzco
B3.PJCB Q II
B4.Hippo Walk
B5.Wondervu
 
Recorded Music Plant - Denvar
Producer - David Sawyer
Producer/Engineer - Bob bernum / Bird Voice & JCPB Q#2:Brad Smith 
 
Barry Wedgle - Guitar
Jay Clayton - Voice
Collin Walcott - Percussion
Paul McCandless - Oboe And Soprano Sax
Geoffrey lee - Piano
DENNIS BUDIMIR ‎– Sprung Free!

アメリカ出身のクール派ギタリスト、Dennis Budimir。
エリックドルフィーやチコハミルトン、ゲイリーピーコック、バドシャンク、ゲイリーフォスター等と共演し、数多くのセッションに参加している。レーベル「Revelation」に数枚リーダー作を残しいて、どれもフリー寄りのクールな演奏が目立つ。その他ポピュラー系作品もある。
 
本作もその「Revelation」に残した1968年作。
 
冒頭ゲイリーピーコックの薄暗いクールなベース・ソロから始まり、その数秒後ギターの音色が聴こえた瞬間「ジムホールだ」と感じた。単音のフレーズがとってもクールでカッコいい。
 
彼のギターはあまり和音を使わず単音のフレーズが中心で、ギタートリオなので、よりスカスカ感が逆にたまらない。いかにもクール派やジムホール、ジミーレイニー辺りの影響を強く感じさせる。
 
A1、B2がオリジナル曲、A2、B1がスタンダード。B1の同曲「Sultry Serenade」はバドシャンクの'61年作「New Groove」で彼はゲイリーピーコックと共に参加し録音を残している。

 
Dennis Budimir ‎– Sprung Free!
Revelation Records – REV8
 
A1.The Blues, Sprung Free
A2.East Of The Sun
B1.Sultry Serenade
B2.Blues By The Bags
 
Bass – Gary Peacock (A1)
Bass – Bobby West
Drums – Bill Goodwin
Guitar – Dennis Budimir
Producer – Jon Horwich
STAFFAN HARDE - SJR LPS-2

スウェーデン出身のギタリスト、STAFFAN HARDEによる1972年作。
 
一曲目からクールな単音ソロギターにはじまり、2曲目にベースが入り、3曲目がカルテットに。。
 
かなりエグいギターフレーズ。そして知的且つ冷たい空気感がアルバム全体に漂う。無調的であり、フリージャズ寄りの、ぎりモードといった印象。
 
A4のソロギターによるインプロヴィゼーションでは、不協和音によるイタリアの民謡「サンタルチア」のメロディーらしきフレーズが出てくる。カルテット編成の演奏では、ジョージラッセル風のひねくれたモード的演奏も聴ける。そしてパーカッションが民族音楽的味わいを醸し出している。
 
メンツは「CAPRICE」からリーダー作を出しているスウェーデンのピアニスト Lars Sjosten、ジョージラッセルのビッグバンドにもに参加しているベーシスト Lars-Urban Helje、そしてECMからもリーダー作を残しているパーカッション奏者 Bengt Bergerによるカルテット編成。だが、実際にはA1がソロ、A2がベースとデュオ、A3がカルテット、A4がソロ、B1がピアノとベースのトリオ、B2がベースなしのトリオという編成になっている。
 
Staffan Harde - Staffan Harde / SJR – LPS-2

A1.Substance I
A2.Incitement
A3.Bigaroon
A4.Substance II
B1.Cordial L
B2.Electrification

Guitar – Staffan Harde
Piano – Lars Sjösten
Bass – Lars-Urban Helje
Drums – Bengt Berger
 
Mixed By – Hans Ericsson, Lars-Urban Helje, Leif A. Johnsson
Producer – Svenska Jazzriksförbundet
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